企画編集ユニット6355の保崎です。
先週末、神戸で開かれた「第1回コミュニティカレッジ・バックステージ」に参加してきました。
http://kobemd.com/lectures/kmd-plus/plus0007/
全国の地域ソーシャル系大学が集う交流の場として、今回はじめて設けられたもので、当こすぎの大学も「つなげる」をテーマとした分科会で、これまでの実践事例を紹介しました。
他大学の取り組みを知ることができ、個人的にとても刺激に満ちた時間を過ごしました。
その一部だけですが、簡単にご報告させていただきます。
【主催】コミュニティカレッジ・コンソーシアム(CCC,柏まちなかカレッジ、神戸モトマチ大学、ハマのトウダイ)
【日時】2015.4.11 10:30-18:00
【参加】25校、一般来場客数112名
【プログラム】
・主催者挨拶 10:30-10:45 主催者・村上豪英(神戸モトマチ大学代表)
・第一部 10:45-12:00 基調講演「つながりのつくりかた ~領域を超えて」(西村勇哉・NPOミラツク代表)
・第二部 13:00-15:45 分科会発表
・第三部 15:45-17:00 パネルディスカッション
【サマリ】
■ 第一部 基調講演
つながりのつくりかた。NPO法人ミラツク代表理事、西村勇哉さんから。
・「なにが、その人の人生の可能性を引き出すのか」がメインテーマ。良い出会いが、人生の可能性を加速する。
・内省ではなくて、人と出会うこと。でも、基本的には「楽しいことをする」が大事。
・西村さんのダイアローグワークショップは、なんだかんだで400回実施。毎回集客は50-100人。なんと集客は口コミがメインだと。それを毎回60-90分程度。時間は複数日にまたがるときもあるし、半日かけるときもある。
・ミラツクは、「ソーシャルイノベーションプラットフォーム」「未来共創企業促進」が二大テーマ。
・49,763のNPOが全国にある(2015.1)。これだけ多くの人が課題に取り組んでいるのに、なんで課題解決はすすまないんだろう。どこに問題があるのか。
・「領域を超えた協力」と「適切な仮説の発見」。これがソーシャルイノベーションを促進すると考えている。
・ネットワーク(オープンな場の参加者)とコミュニティ(招待制の場の参加者)は違う。このなかから、ミラツクでは年間100人をミラツクのコミュニティに招待する。
・たとえば、徳島×健康増進の取り組み。「野菜をいっぱい食べましょう」だけではことはすすまない。「お菓子パン消費全国1位」「給食のフォークのせいで早食いがめだつ」など、食文化をじっくりと調査して、仮説をたてる。
・「すでにある未来の可能性を実現する」がミッション。0を1にするのではなく、0.1や0.01を1にする。
■ 第二部 分科会発表会「つながりかた」(座長:村上豪英氏)
・参加大学(神戸モトマチ大学、こすぎの大学、多摩川源流大学、奈良ひとまち大学、下北沢大学、しまコトアカデミー、土佐山アカデミー)
① 神戸モトマチ大学(村上豪英さん)「つながりを創るための不自然な方法」
つながるためにぼくらがとっている5つの方法について。
② こすぎの大学(保﨑)「多様性溢れる地域で、新しい<まち>の賑わいをつくりだす」
③ しまコトアカデミー(松村渉さん)「首都圏としまねをつなぐ【ソーシャルグッド】な講座を目指して
https://ja-jp.facebook.com/shimakotoacademy
首都圏在住で島根の地域作りに関心がある方を対象としてCBSBやまちづくり活動を通じた「地域イノベーター」育成講座を実施し、「島根への関心層の拡大」「UIターン希望者の育成とネットワークづくり」の講座を年1回行っている。『ソトコト』と提携している。
④ 下北沢大学(柏雅康さん)「デザインで街を変える下北沢大学」
再開発で街の景観が損なわれているさいきんの下北沢を、明るく楽しくポジティヴに感じてもらえるように、商店街から盛り上げている。
⑤ 多摩川源流大学(矢野加奈子さん)「地域と一緒に地域で活躍する人材を育成する」
東京農大学生を対象として、山梨県小菅村をフィールドとして、地元住民を講師に迎えて人材育成プログラムを展開。地域とともに地域で活躍できる人財の育成を目的としている。学生だけではなく、一般向けにも整備中。
⑥ 奈良ひとまち大学(中井川祐太さん)「これまでの広報、これからの広報」
現奈良市長の肝いりではじまった「大学」。先生役は奈良市のみなさん。「まち」と「ひと」がつながって、奈良の新しい魅力を発見。
⑦ 土佐山アカデミー(吉冨慎作さん)「自由と学びの場は、土佐の山間よりいづ!」
高知県の土佐山という人口1000人ほどの旧村で「自然に寄り添った生き方を学ぶ、学びの場づくり」を進めている。日帰りのワークショップから長期滞在型まで多彩なプログラムを実施し、地域に暮らしながら自然と調和した暮らしを学ぶ学校。
■ 第三部 パネルディスカッション(村上豪英氏、岡部祥司氏、山下洋輔氏、西村勇哉氏、坂口緑氏)
パネリストからのひと言メッセージ。
「CCBの参加者のみなさんたちに、プラスなにを加えたらもっと前進できるのかを考えてみたい」(西村勇哉さん)
「変化を促すための装置・ひとたちがそろっている場になれれば素敵」(岡部祥司さん)
「別々の背景を持っている人たちが、けっきょくひとつの方向に向かっていることがとても面白い」(山下洋輔さん)
「ここに集まっている大学のスタイルをモデル化するのは難しい。つまりは個性的だから。むしろ、今年はこういう方向でやるけど、来年は違うようにしますという変わり身ができるかろやかさを感じた」(坂口緑さん)
「じつは今回お声掛けさせていたたいた会の多くは活動をやめていたり、中断していたりしていた。この場やみなさんの活動報告がその流れを少しでもさまたげる場になればいいなと思う」(村上豪英さん)
■全体所感
・会場アンケートからは、「本をだしたい」「バックオフィス(事務、広報その他)業務のナレッジ共有」「交換留学」「資金・マネタイズの仕組みの研究と共有」「「なんのためにゃってるのか」という原体験をメッセージ発信する。成長をみんなでともに感じる共有体験」ということようなを、みんなでやっていけるんじゃないかとの意見が多くあった。
・なんらか情報共有・発信の共通プラットフォームがあったらいいという空気が感じられた。
・来年は柏開催(日程未定)。みなさん、行きましょう。
以上、簡単ですがご報告させていただきます。
熱く、濃密、そして個性溢れる一日でした。もうどれもこれも面白い取り組みばかりでしたし、今後の活動の参考にさせていただたいと思います。
最後に、このような場を設けお声掛けいただいた、神戸モトマチ大学代表の村上豪英さん、そしてスタッフのみなさん、たくさんのエールを頂戴したこすぎの大学参加者のみなさん、ぼくを喜んで送り出してくれた6355のみなさん、そして家族に、改めて感謝いたします。
何人かの方からは、フィードバックsessionをという声も頂戴しましたので、検討していきたいと思います。
どうも有り難うございました!